田毎のそばに使っているそば粉は、そばの中心部にかなり近い部分を選んで製粉したそば粉です。特徴としては、色が白く香りが上品で、つるつるとしたのどごしのそばに打ち上がります。
   さらに、限定でお出ししている「みそぎそば」の粉は、ごく少量しかとれないみそぎ粉のみを使っています。みそぎ粉は、水となじみにくい性質をもっており、修行を積まないと麺に打つことが非常に難しいそば粉です。希少だということもありますが、風味の劣化が早いという理由で、数量を限らせていただいております。
   そばの打ち方・ゆで方には、温度や湿度など、季節の変化が大きく影響します。その時その時の、そばの状態に全身で集中していると、まるで対話をしているような気持ちになってきます。面白いことに手打ちのそばは、同じ店で修行しても、打った職人の個性が出てしまうものです。良い悪いということではなく、それがそばの奥深さではないかと思うのです。
   六代目店主は京都で生まれ育ち、東京のそば店で修行をしてまいりました。長い歴史の中で洗練されてきた東京のそばのおいしさには、とても感銘をうけました。しかし、それをそのまま京都の店で出そうとは考えませんでした。まず、東京と京都では水質に大きな違いがあり、同じように作ったとしても同じ味にはならないでしょう。そして、京都の和食文化にも長くて深い歴史があり、「だし」はその代表的なものです。東京の「そば」と京都の「だし」。二つの「ええとこどり」でみなさまに喜んでいただける新しいそばを創り続けてまいります。

切りたての蕎麦
水でさっと絞めるゆでたての蕎麦